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DQ10で活動中の魚人。 チーム「コスポ・ミ・レイジュ」所属。
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ポエムでお金持ち

短編小説3 だいや さんよりご注文

 真の男と漬け物 





 キキキ・・・ココココ・・・・
 
 固いギミックの関節は、動かすことを横着にしているとすぐに固まってしまう。固定防止のためのガマの油が支給されているが、あの魚臭い匂いにはどうも慣れない。俺は蝋のように固まりかけた体を、カクカクとほどくように稼働させた。

 夜のカミハルムイ。
 静寂に鳴り止まぬ、虫たちの声。月は光り輝き、草木に影を落とした。
 静かなオーケストラが明暗のコントラストに彩られるように響く。
  
 いつ頃からは俺はこの景色の中に居た。始まりの記憶は定かではない。ただ、この場所の初めての記憶は、「懐かしい」という初めてと対照的であるはずの感覚と一緒に去来した。今ではその感覚も風化して、ただ馴染むいつもの風景となっているが。

 「オイ、コウタイノ、ジカンダ」

 私は振り返ると、同僚のサワッチに向かって手を挙げた。
 今日も何も起こらなかった。俺の任務は、ネルゲル様が仰る「敵」がいつかこの地を訪れる時、この「夢幻の森南部領」を守衛することだ。「敵」とは具体的にはどういう姿形をしているのか、どうして我々にとって「敵」なのか、ネルゲル様には聞いていない。いや、一般兵の俺が聞けるようなことでもないのだが。回りの同僚に尋ねることも出来たのだが、誰もそれに疑問を持っていないようで、話にならなかった。「ワルイヤツ、ワルイ」と。まあそんなものなのかもしれない。そもそも、敵どころか、俺は俺が誰で、何のためにここにいるのかも、分かっていないのだから。考えるだけ無駄な気がする。ただ俺は義務を尽くすのみ。

 
 サワッチといつものように応援のサイレンを鳴り交わすと、俺は休憩に戻ろうと歩き始めた。その時だった。
 
 「テキシュウー!テキ、シュウー!」

 俺達の居る草原から少し離れた、カミハルムイ城のやや北のあたり。
 夜空に、赤い火花が散っていた。
 けたましく鳴り響く伝令兵たちの声。
 何かが燃えるような轟音、爆発のような赤。
 夜空を染める光と共に、ボスン、ボスンというような低い音が聞こえてくる。

 「ワレワレガイク!」

 弾かれたように、サワッチとその班員2名の兵隊が、光の方向に飛び出していった。
 
 「サワッチ!」
 「リコ・・・ココはタノンダデ!」 
 「・・・ソウイン、ハイビ!」

 俺はサワッチの背中を見つめながら、部下達に指示を出すと、武器を手に取った。
 急に激しく稼働させた関節は、キキキと甲高い音を立てる。油を注しておくべきだったが、今更後の祭りだ。2名の部下を背後に従え、俺は少し前傾となる戦闘態勢をとり、構えた。
 戦闘準備を取りつつ、草影に消えていったサワッチ達の方向を見つめる。胸のあたりが冷たく締め付けられるようだった。大丈夫だ、サワッチが負ける訳が無い。総毛立つような緊張の中、激しい戦闘音が聞こえてくる。おそらく暫くとも言えないほどの、ほんの刹那の後、大きな爆発音が夜空を切った。それは俺には、手負いの獣が放つ断末魔のようにも聞こえた。
 
 ドオォォォオン・・・

 「タイチョウ・・・コノオト!」
 「・・・ブキヲ、ニギリシメロ」

 あの音は、自爆の音。
 自爆は、我々が勝てないと判断した時に、最後に残された業だ。
 サワッチー馬鹿野郎ー・・・俺より先に、逝くなんてー。
 一緒に最高の漬け物を作ろうって言ってたのに、また先にー。

 「・・・マタ?」

 漬け物?なんだ、俺は急に何を考えているんだ。
 突然脳裏に去来した言葉、記憶の断片。
 フラッシュバックのように、鉄の頭の中に何かが駆け巡る。
 
 「タイチョウ!キ、キマス!」

 呆然と固まる俺の目の前に、「敵」が現れた。
 それは4匹の鬼だった。
 うさぎのような耳の偽装を施したもの、桃色の張り付くようなタイツをつけたもの。この世の者とは思えない、奇怪な姿であった。まさに、異形の存在ー鬼であった。これが「敵」か。
 戦慄と恐怖に体中がすくみそうになる。しかし、負けるわけにはいかない。自爆を果たしたサワッチとの戦闘の直後、傷1つ無いように見えるその鬼達を見て、私は絶望より別に怒りを覚えていた。
 
 「とうろう兵めんどいなぁ」
 「逃げてく?」
 「ゴールドシャワー!!!」
 「おぃ!あなた蜘蛛の前にどんだけ金つかうの!」

 突如として空から舞振る金色の矢。
 私のそばに居た二人の兵隊は、その矢に全身を貫かれて、音も無く絶命した。穴だらけに空いた体が、うっすらと溶けて消えていく。
 
 「ウ、ウオオオオ!!」

 俺はたけやりを握りしめた。全身全霊で一人の鬼の懐まで駆け寄り、そのスライムのような服を来た面妖な鬼に、たけやりを突き立てる。しかし、その皮膚は絶望的な硬度で俺のたけやりをはじいた。化け物だ。

 「ベストスマイル!」
 「うぜええええ」

 男は俺に向けて、突然歯を見せて笑い出す。悪魔の笑みだった。真っ赤に開かれた口もとからは、どす黒い絶望がしたたるように見えた。こんな、こんな奴らにーサワッチはー。

 「サワッチ、今、いくで・・・!」

 俺はスイッチを押した。全身が熱くなる。ランプが激しく点灯を始めた。最後の舞や。一人じゃ、死なん。こいつら道連れにしてやる!!

 「お、おい今このとうろう兵、何か言葉話さなかった?」
 「気のせいでしょう、てか自爆しますよ、離れて」

 瞬間真っ白になった。
 俺は倒れ、静かに横になった。
 煙があがる俺のそばに、4匹の鬼が近づいてくる。
 駄目やったか。薄れいく意識の傍らで、一人の鬼が俺の壊れた腹部をまさぐっていた。

 「お、宝箱ゲットー」
 「つけもの石やん、よかった俺最近集めてんのよ」
 「でもなんでとうろう兵、つけもの石なんて持ってんだろうね?」
 「私聞いたことあるよ。とうろう兵って、もともとはどこかの村人達だったのを、ネルゲルがモンスターに変えて生まれたんだって。それで、もともと土木とか、石とか、そういう仕事をしていた人達がとうろう兵になることが多いとか。このとうろう兵はつけもの屋さんをしてたんじゃない?」
 「ちょっとそれは怖い話ですね。元々人間だったってことですか?心が痛むな」
 「ま、単なる噂話だけどね。人がモンスターになるなんて、非現実的だし」
 「おーい、早く蜘蛛いくよ」
 
 そうだった。鬼が去り、俺は体が消えるその間際に全てを思い出した。
 「・・・天国でまた、最高の漬け物をつくったろうな、サワッチ」
 闇夜に光る月の中に、あいつの笑顔が見えたような気がした。

 完




なんか気づいたらどっかで見たことあるオチに酷似していた!!
や!違うんだよ!や!パクったんじゃなくて、インスパイアされてオマージュしたのをリスペクトしたんだよ!ごめんなさい!ぺけぴーごめんなさい!気づいたらこうなってたの!!

追記;然ういえば今日風桜のイベントいきます!優勝してきます。

拍手[14回]

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COMMENT
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 あれあれ!?!?
なんか、からくり兵をとうろう兵に直してたらコメントきえてしまったー!!
ヒロクポさん、ちぇか、ごめんよよ!!
コメントよませてもらって、でも間違いに気づけたぁありがとう!
イコプ 2013/04/28(Sun)09:21:09 編集
 無題
その鬼はどこのイーリスさんとぺけぴーさんなんでしょうね・・・
みぃそん 2013/04/28(Sun)11:10:25 編集
 すごい!
とうろうへいは実は漬物屋さんだったのね!

ちなみに、エビルチクリンはやっぱり隠れキリシタンですか?

この前キラキラ風車塔でお会いしたみけねこです~。

毎回楽しみにしてます^^

リンクさせていただきました~。

またお会いしたら、是非一緒に遊びたいです。
みけねこ URL 2013/04/29(Mon)02:02:22 編集
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