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ポエムでお金持ち
短編小説3 だいや さんよりご注文
真の男と漬け物
なんか気づいたらどっかで見たことあるオチに酷似していた!!
や!違うんだよ!や!パクったんじゃなくて、インスパイアされてオマージュしたのをリスペクトしたんだよ!ごめんなさい!ぺけぴーごめんなさい!気づいたらこうなってたの!!
追記;然ういえば今日風桜のイベントいきます!優勝してきます。
短編小説3 だいや さんよりご注文
真の男と漬け物
キキキ・・・ココココ・・・・
固いギミックの関節は、動かすことを横着にしているとすぐに固まってしまう。固定防止のためのガマの油が支給されているが、あの魚臭い匂いにはどうも慣れない。俺は蝋のように固まりかけた体を、カクカクとほどくように稼働させた。
夜のカミハルムイ。
静寂に鳴り止まぬ、虫たちの声。月は光り輝き、草木に影を落とした。
静かなオーケストラが明暗のコントラストに彩られるように響く。
静かなオーケストラが明暗のコントラストに彩られるように響く。
いつ頃からは俺はこの景色の中に居た。始まりの記憶は定かではない。ただ、この場所の初めての記憶は、「懐かしい」という初めてと対照的であるはずの感覚と一緒に去来した。今ではその感覚も風化して、ただ馴染むいつもの風景となっているが。
「オイ、コウタイノ、ジカンダ」
私は振り返ると、同僚のサワッチに向かって手を挙げた。
今日も何も起こらなかった。俺の任務は、ネルゲル様が仰る「敵」がいつかこの地を訪れる時、この「夢幻の森南部領」を守衛することだ。「敵」とは具体的にはどういう姿形をしているのか、どうして我々にとって「敵」なのか、ネルゲル様には聞いていない。いや、一般兵の俺が聞けるようなことでもないのだが。回りの同僚に尋ねることも出来たのだが、誰もそれに疑問を持っていないようで、話にならなかった。「ワルイヤツ、ワルイ」と。まあそんなものなのかもしれない。そもそも、敵どころか、俺は俺が誰で、何のためにここにいるのかも、分かっていないのだから。考えるだけ無駄な気がする。ただ俺は義務を尽くすのみ。
サワッチといつものように応援のサイレンを鳴り交わすと、俺は休憩に戻ろうと歩き始めた。その時だった。
「テキシュウー!テキ、シュウー!」
俺達の居る草原から少し離れた、カミハルムイ城のやや北のあたり。
夜空に、赤い火花が散っていた。
けたましく鳴り響く伝令兵たちの声。
何かが燃えるような轟音、爆発のような赤。
夜空を染める光と共に、ボスン、ボスンというような低い音が聞こえてくる。
「ワレワレガイク!」
弾かれたように、サワッチとその班員2名の兵隊が、光の方向に飛び出していった。
「サワッチ!」
「リコ・・・ココはタノンダデ!」
「・・・ソウイン、ハイビ!」
俺はサワッチの背中を見つめながら、部下達に指示を出すと、武器を手に取った。
急に激しく稼働させた関節は、キキキと甲高い音を立てる。油を注しておくべきだったが、今更後の祭りだ。2名の部下を背後に従え、俺は少し前傾となる戦闘態勢をとり、構えた。
戦闘準備を取りつつ、草影に消えていったサワッチ達の方向を見つめる。胸のあたりが冷たく締め付けられるようだった。大丈夫だ、サワッチが負ける訳が無い。総毛立つような緊張の中、激しい戦闘音が聞こえてくる。おそらく暫くとも言えないほどの、ほんの刹那の後、大きな爆発音が夜空を切った。それは俺には、手負いの獣が放つ断末魔のようにも聞こえた。
戦闘準備を取りつつ、草影に消えていったサワッチ達の方向を見つめる。胸のあたりが冷たく締め付けられるようだった。大丈夫だ、サワッチが負ける訳が無い。総毛立つような緊張の中、激しい戦闘音が聞こえてくる。おそらく暫くとも言えないほどの、ほんの刹那の後、大きな爆発音が夜空を切った。それは俺には、手負いの獣が放つ断末魔のようにも聞こえた。
ドオォォォオン・・・
「タイチョウ・・・コノオト!」
「・・・ブキヲ、ニギリシメロ」
あの音は、自爆の音。
自爆は、我々が勝てないと判断した時に、最後に残された業だ。
サワッチー馬鹿野郎ー・・・俺より先に、逝くなんてー。
一緒に最高の漬け物を作ろうって言ってたのに、また先にー。
「・・・マタ?」
漬け物?なんだ、俺は急に何を考えているんだ。
突然脳裏に去来した言葉、記憶の断片。
フラッシュバックのように、鉄の頭の中に何かが駆け巡る。
「タイチョウ!キ、キマス!」
呆然と固まる俺の目の前に、「敵」が現れた。
それは4匹の鬼だった。
うさぎのような耳の偽装を施したもの、桃色の張り付くようなタイツをつけたもの。この世の者とは思えない、奇怪な姿であった。まさに、異形の存在ー鬼であった。これが「敵」か。
戦慄と恐怖に体中がすくみそうになる。しかし、負けるわけにはいかない。自爆を果たしたサワッチとの戦闘の直後、傷1つ無いように見えるその鬼達を見て、私は絶望より別に怒りを覚えていた。
「とうろう兵めんどいなぁ」
「逃げてく?」
「ゴールドシャワー!!!」
「おぃ!あなた蜘蛛の前にどんだけ金つかうの!」
突如として空から舞振る金色の矢。
私のそばに居た二人の兵隊は、その矢に全身を貫かれて、音も無く絶命した。穴だらけに空いた体が、うっすらと溶けて消えていく。
「ウ、ウオオオオ!!」
俺はたけやりを握りしめた。全身全霊で一人の鬼の懐まで駆け寄り、そのスライムのような服を来た面妖な鬼に、たけやりを突き立てる。しかし、その皮膚は絶望的な硬度で俺のたけやりをはじいた。化け物だ。
「ベストスマイル!」
「うぜええええ」
男は俺に向けて、突然歯を見せて笑い出す。悪魔の笑みだった。真っ赤に開かれた口もとからは、どす黒い絶望がしたたるように見えた。こんな、こんな奴らにーサワッチはー。
「サワッチ、今、いくで・・・!」
俺はスイッチを押した。全身が熱くなる。ランプが激しく点灯を始めた。最後の舞や。一人じゃ、死なん。こいつら道連れにしてやる!!
「お、おい今このとうろう兵、何か言葉話さなかった?」
「気のせいでしょう、てか自爆しますよ、離れて」
瞬間真っ白になった。
俺は倒れ、静かに横になった。
煙があがる俺のそばに、4匹の鬼が近づいてくる。
駄目やったか。薄れいく意識の傍らで、一人の鬼が俺の壊れた腹部をまさぐっていた。
「お、宝箱ゲットー」
「つけもの石やん、よかった俺最近集めてんのよ」
「でもなんでとうろう兵、つけもの石なんて持ってんだろうね?」
「私聞いたことあるよ。とうろう兵って、もともとはどこかの村人達だったのを、ネルゲルがモンスターに変えて生まれたんだって。それで、もともと土木とか、石とか、そういう仕事をしていた人達がとうろう兵になることが多いとか。このとうろう兵はつけもの屋さんをしてたんじゃない?」
「ちょっとそれは怖い話ですね。元々人間だったってことですか?心が痛むな」
「ま、単なる噂話だけどね。人がモンスターになるなんて、非現実的だし」
「おーい、早く蜘蛛いくよ」
そうだった。鬼が去り、俺は体が消えるその間際に全てを思い出した。
「・・・天国でまた、最高の漬け物をつくったろうな、サワッチ」
闇夜に光る月の中に、あいつの笑顔が見えたような気がした。
完
なんか気づいたらどっかで見たことあるオチに酷似していた!!
や!違うんだよ!や!パクったんじゃなくて、インスパイアされてオマージュしたのをリスペクトしたんだよ!ごめんなさい!ぺけぴーごめんなさい!気づいたらこうなってたの!!
追記;然ういえば今日風桜のイベントいきます!優勝してきます。
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