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DQ10で活動中の魚人。 チーム「コスポ・ミ・レイジュ」所属。
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如来の出世には甚だ値ひがたし

無量億劫の時に一遇なり

諸の難処を離れて衆会に適け

ただ仏世尊のみ能く時に応じたまふ

(華厳経)









暮れ泥む夕暮れ。

太陽が名残惜しそうに海面上に揺蕩っていた。
東を向けば、静かな畏怖をもって世界を覆い隠すように、夜が顔をもたげる。
昼の喧騒は湿り気を帯びた夜のそれに変わりつつあるラッカランの駅前で、私は薄れゆく陽光を頼りに一通の手紙を手に取った。紅色に滲む手紙には、精緻な筆で、シンプルにこう記されている。

「 25サーバー、ガートラント城、炎の玉座の前で待つ。 レオ 」

女性らしい細い達筆に、しかし一切の迷いは感じられなかった。叩き付けるような黒い文字。強い意志が薄い紙の合間に圧縮され、じんわりと刻み込まれているようだ。
私は手紙を懐にしまうと、大きく空気を肺に吸い込んだ。
否応無しに高まる鼓動を抑えるように、胸に手を当て、目を閉じる。

「約束の時だ」

私はゆっくりと目をあけると、振り返り、静かに蒸気を上げる汽車を見上げた。




一瞬とも言える幾ばくの後、ガートラント城についた。
思いがよぎる。なんで誘っておいて石を作ってくれないんだろう?
そんな邪念が脳裏を掠めるが、ボクシングチャンピオンクラスのヘッドバンキングでその思いを避ける。むろん心象風景だ。私は思考をなるたけ止めるように、指定の場所に急いだ。





果たして、彼女はいた。
威風堂々と、そこに立っていた。
肩書きを調整することで成り立つ、斜の構え。
隙を一切と排除したその構えは、古代ガートラントの王族にのみ継承を許された「天後の構え」と言われているとはまさに今私が作った話である。
しかししかし実に堂々たる出で立ちだ。惜しむらくはその右側のあますことなくその肌を露出させた全裸のモヒカン(無関係の人)の存在感があまりにも強く、となりに立つレオが何だかアホの子みたいに見えるというというかむしろレオずっとその格好でそこで待ってたのねごめんね待たせてごめんねちょっと迷宮とか行っててごめんねと謝っておいた心の中で全力で謝っておいた。


歩み寄ると、レオはその燃える双眸を少しだけ緩めると、言った。

「行こう、私の家の前でこーてん君を待とう」

私は瞬間「あれっなんでこの人こんなとこに呼び出しておいていきなり家に戻るのかなもしかして凄いバカなのかな」と邪な考えが脳裏をよぎったが、もちろんそれは口に出さないでおく。当然これはゲームなので画面の前でいきなりしゃべりだしたらかなりの末期の状態ですからねそれは口に出さないでキーボードで上記の旨を伝えることにしました。するとレオは「ツメスキルを全部短剣にふり直そうかと思ったけどぎりぎりで我慢した」ともうちょっと常人には理解できない発言だったので諦めて「とりあえずこーてん君くるまでオシャレしようメギストリス行こう」と伝える。

「なんでメギストリスなの?」
「オシャレの町だよね」
「確かに」






私は気づくと、町の北東部に位置するメギストリスの繁華街に居た。
華やかな極彩色に身を包む若い女性達の群れ。そんな雑踏をかきわけるように進む私とレオ。
華美に酔いしれる溶けた視線に、鋭く重い我々の視線が絡み合うと、彼らは少し怯えたように目をそらした。

私たちは散髪屋の前に立った。今から始まる、絶対に負けられない戦い。我々の中での聖戦。その戦いにあいふさわしい礼節を、体をもって体現しなくてはなるまい。おねーちゃん!カタログみせて!








試行の末、果たして、完成した。






一人の、僧侶が、アストルティアに、
本当の意味で生まれ落ちた瞬間だった。









ゴータマ・イコプ・シッダールタの誕生である。










黒くつややかな髪は、しかし何にも頓着を示すことなく、無造作に束ねられる。
それはまさに仏の言う「執着に捕われない心」を体現しているよう。
遠くを見つめるその視線の先には、完全に涅槃があるのであった。
これが仏になるということか。圧倒的な使命感がコンコンと心に湧き出てくる。
仏の意志を伝えよう。
帰命せよ。ただ、我の言葉に従い、帰命せよ・・・とチームに伝える。





仏の突然の出然に動揺を隠せないチーム。
無理も無いことだ。俗世と涅槃は余りにもかけ離れているから。
しかしこの一遇をいつかは最上のことと感じてくれる日が来るに違いなかろうとそっとしておくことにする。


さて、レオはどうなったかと気にしてみる。



「イコプみてこの目」
「見た」
「良くない?気に入った」
「はあ」

まったく理解できなかったので早くこーてん君きてくれ早く早くこーてん君きてくれと念を唱えていた




きてくれた。



そして役者が集った。

僧侶二人、そして武闘家二人の構成だ。
そう、我々はこれから、悪猿、バズズに戦いを挑むのだ。

レオとこーてん君は、この日のために、様々な準備をしてくれた。
スキルを揃えたり、HPパッシブをとりにいったり、装備を集めたり。
凄く大変だっただろうと思う。
絶対に、負けられない。



最終確認をした。
イオグランテは避ける、バギムーチョは離れる、などプランからの最終チェックが入る。
気づけば、朝を迎えていた。





あの日の出を、勝利に変えよう。


















準備はいいか
ととのってござる 







たかがゲーム、されどゲーム。
しかし手に汗を握るほどの緊張感は、現実の世界でもそうそう無い。
私はぐっと汗を拭うと、コントローラーを握りしめる。

プランが言った。
「レオどのが当たってくれ」

でも、慣れてる人が、と戸惑うレオに、「二人が主役だから」とでも言わんばかりで微笑むプラン。
私は小さく親指を立て、こーてん君はうなずき、唇を噛み締めると、杖を構える。

そんな3人を交互に見つめると、レオはキッと前を向いた。
この日のために用意したツメを構え、小さく強く息を吐くと、バズズ、その懐に飛び込んでいったのだった。




この日の為に、なけなしのお金を叩いて買ったツメ。
 力を込めて振り下ろしたそれが、薄暗い部屋の中に、キラリと照り返し光った。
 しかし、濃い紫色の体毛は見た目以上に太く固く、磨き抜かれたはずの刃は、ゴムのような感触に跳ね返された。きつくきつく締めた止め金具が前腕にめり込み、しびれが走る。

「プランさんっ、こいつ・・・」
「馬鹿やろう!よそ見すんな!」

 悪猿の想像以上の防御力に怯むレオ。一瞬の弱気から、プランを振り返ったその背後から、風と熱風の悪霊は無造作に豪腕をふるった。背中全体にひろがる灼熱感ーそして次に来るはずの痛みという感覚が脊髄を駆け上がる前に、レオは意識を失い、ゆっくりと倒れた。その後ろには、焦点の定まらない深い目で、こちらを見つめる悪猿が、熱い息を吐き出していた。

「ちっ」

 プランはその体躯を震わせると、倒れるレオをかばうように、バズズの胸元に飛び込んだ。そのままショルダータックルのように体をぶつける。深い体毛に体を半ば埋め、その全体重をバズズに押し付けた。低い姿勢をとり、両足に全身全霊の力を込める。首もとにバズズの灼熱の呼吸が降り注ぎ、ちりちりと焼けるようだった。バズズが移動を始めようと押し返してくる。
 だが、一歩も、これ以上進ませない。後ろにいる、二人の僧侶のもとには。

「イコプっ、こーてん・・・!」





 その時、こーてんは完全に固まっていた。頭の中で何度もシュミレートしていた開幕。戦闘が始まる前に思い描いていた、スキルの構成。祈りから続き、ズッシード、スクルト、フバーハ、による強化。何度もイメージしてきたはずだった。
 しかし、開幕直後のツインクローで、死者が出るなんて予想だにしていなかった。まさか、そんな一撃で。

「開幕が、一番大事。開幕が乗り切れれば、大丈夫だから」

 事前にイコプさんが言っていた言葉が思い出された。その、大事な開幕で。この場合、俺はズッシードをすればいいのか?それとも、ザオ係の俺が蘇生に走るのか?でも、プランさんまで死んでしまったら、もう壊滅じゃー。頭の中に、数多の選択肢と、寸後に待ち構えている最悪の場面が一瞬にして爆発し、こーてんは固まった。手が震えて、動かない。準備してきたのに。今日のために、一生懸命、みんなで。狭まる視界の中で、獰猛な鼻息を荒げる、バズズと目が合った。殺意を混めた目線が、一直線に自分を貫いていた。駄目だ、殺される。勝てないー



「ザオいくよ」



 ガラスを打ち破るように、声が聞こえた。
 そしてスタスタと青い衣を翻し、イコプは走っていった。腐臭荒げる悪猿のもとに、さも造作も無いように近づいていく。それはまるで近所に買い物にでも行くかのように。

 そんな無防備に・・・いや・・・でも・・・?
 こーてんは改めてバズズを見た。殺気迸るその視線は、先ほどから明らかにこちらを見ている。目があう。バズズはつまりー俺を狙っている。落ち着いて見ると、バズズはじりじりと此方に進んできていた。そうか、今バズズのターゲットは俺なんだ、しかし、咆哮を上げるプランがそれを妨害するように、押し返してくれている。イコプさんがあんなにも無造作に進んだのも、それだから。イコプさんは胸の前で指印を切ると、レオさんの周りに暖かい青い光を呼び寄せていた。そしてこっちをちらりと見る。その目は、何かを楽しんでいるかのように、優しかった。
 
 そうだ、大丈夫だ。
 俺には頼れる仲間がいる。そして今、俺がやることは。
 こーてんは杖を構えた。手はもう震えていなかった。




 ズッシードが発動し、体に重量を得たプランは更に体を深く落とすと、バズズをじわじわと押し戻しはじめた。イコプはレオの蘇生を終えると、速やかに後方に下がる。こーてんは既にスクルトを終え、フバーハを唱え始めていた。いくで、こーてんさん。頼れる僧侶を横目に、イコプは自身も聖なる祈りを唱え始め、バズズが次に狙うターゲットへの攻撃に備えた。蘇生されたばかりのレオは、しかし1つの動揺も見せることなく、すぐさまプランの横につく。二人の冥獣のツメがバズズの深い毛の合間から、少しずつその肉に傷をつけ始めた。



 そこから先は持久戦だった。

 悪霊たる魔力と、圧倒的な攻撃力が、壁のように4人を押し続けた。
 しかし、崩れ落ちそうになるたびに、奇跡のような反撃が4人を後押しした。バズズの高速の連続攻撃の合間に入りこむ回復魔法。全滅間際に発動する武闘家の一喝。しかし、奇跡はあくまで努力の元に降り注ぐ。耐性を揃えたことによる、ザラキーマのボーナスターン。集中を切らすことなく避け続けるバギムーチョ、イオグランデ。その1つ1つ、そしてその全てが、4人を支えていた。

 「プランさんがタゲって連発してた」

 ボスに入る部屋の前、半分冗談めかすように笑っていたレオは、しかし今誰よりもその言葉を意識していた。倒れ、そして起き上がり、ツメをふるう。極度の集中の中、裏腹にレオは思い出していた。こーてん君に初めて会ったときのことを。

 「初めてのコインボスだから、みんなでやってみたいんだ」
 「友達と一緒にやるドラクエって、楽しいね」

 子供のように微笑む彼。私より何倍もでかい体をして、子供っぽいこと言うんだからなんて、あのときは思ったけれど。でも不思議と居心地がよかったんだ。そんなこーてん君と、今戦ってる。こんな強いボスを倒すために、一緒に。
 倒れた私の元に、とても真剣な顔で、息急き走ってきて蘇生してくれるこーてん君と目が合うと、私は少し笑ってしまった。そして再び拳に力を込めた。
 こーてん君に勝利を。そして私自身にも、勝利を。
 ドラクエを始めて、初めてこんなに頑張って準備したボス戦だもの。この私が頑張ったんだ、その努力は報われなきゃ、ね。
 強く床を蹴ると、今や赤い文字となったバズズに、私はありったけのタイガークローをぶち込んでやった。




 




 そして、バズズは、倒れた。

 苦悶とともに、そして解き放たれる喜びと共に。
 轟音と、圧倒的な量の光の奔流が、薄暗い部屋を照らした後、
 4人は静まりかえった部屋の中に、立ちすくんでいた。






 「うおおおおおおおお!!」

 叫ぶプラン。やったね、と微笑むレオ、そしてイコプ。
 こーてんは信じられない、といった面持ちで、まだ杖を握りしめていた。

 プランはこーてんの肩をドンと叩くと、部屋の奥にいつのまにか鎮座している、赤い宝箱を見やった。

 「あけてくれ、こーてん君」

 いいの?という表情を浮かべるこーてんに、3人はうんうんと頷いた。
 ゆっくりと宝箱に近づくこーてん。
 
   
 
 宝箱が、開いた。
 
 こーてん君は動かなかった。
 そして何も言わなかった。
 ただ宝箱を開いたままの姿勢で、固まっていた。

 せ、聖水がよほどショックだったかな。
 心配になって宝箱をあける、残りの3人。


 









 結果じゃない。
 指輪よりも、大切な思い出を手に入れたから。
 でもやっぱり、嬉しかった。
 こーてん君とレオの指に、キラリと嬉しそうに光るソーサリーリングが、思い出を形に残してくれたみたいだった。



 







おまけ

その後連戦でアトラスも行きましょうとなりまして



次の戦いに備えて身支度する二人

イコプ「パフパフッwおけしょうww」
プラン「ちゃぷちゃぷwwちゃぷちゃぷww」
レオ「はよ」







イコプ「ぶーふぁっふぁ仏陀ww仏陀っっw」
プラン「じーざすwwwきりすとwww」
レオ「はよ」







そしたらまさかのトルネコですよ。
こーてん君のリアル僧侶ラック半端ないマジで半端ない。


レオ「デブはよ」
プラン「えっデブって俺のこと?怒った」




プランがふてくされたので記念写真には入りませんでした。



プラン「やっぱいれてよぉ」



寂しかったようです






そしてアトラスも撃破。
最後に、みんなで海に向かってはしりました。



うえーい!!
水着水着ーうえーい!!



わっしょーい!入れねー!!!まあいいよねー!おつかれさーん!!!!






おまけ2



思い出がMP1に変わった瞬間


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